『北北西に雲と往け』1巻感想!愛車ジムニーもカッコいい!

 

『乱と灰色の世界』で一躍人気作家に躍り出た、入江亜季さんの最新作です。

今回の舞台は極北のアイスランド島。主人公の御山慧は、その地に住む祖父を頼って来た結果、今はそこで探偵を生業として暮らす17歳です。機械と話が出来るという不思議な能力を持っていたり、家族構成を含む過去が複雑な描写があるなど、まだまだ謎が多い彼……。

 

ですが、基本的には日本育ちの、一本気の通った日本男児。

キレイな女性が苦手だったり、美味しいお肉が大好物だったり、年相応な部分ももちろん山ほどあって、好感の持てる主人公です。

 

 

彼が愛車・ジムニーで広大な土地を駆け抜けている様は読んでいて爽快で、緻密かつ情報量多く描かれた背景も相まって、まるで主人公と一緒に旅をしている気分になれるのも◎

 

アイスランドでの生活様式や、食べ物の話、友人と共に観光地を巡る旅をする話もあったりするので、見知らぬ土地のことを知ることが出来るのも魅力の一つかと思います。旅行の導入としても優秀な一作で、これを読んだらアイスランドに行きたくてたまらなくなるかも……?

 

また、彼の周りを構成するキャラクターも、個性あふれる素晴らしい人物が盛りだくさん。慧の祖父にしてフランス人の色男、鳥になることが出来る特殊能力持ちの・ジャックに、その美しい恋人カトラ。彼女の姪で、同居人の音楽家のリリヤ……どれも一癖も二癖もあるキャラクターばかり。

 

それでもそれぞれ魅力があって憎めない人物像に仕上がっていて、読んでいて彼らの人となりを知れることに終始ワクワクします。特にリリヤと慧との関係性がこれからどう転んでいくのかは見どころです。

 

 

この話で特に重要なキーパーソンは、慧の弟・三知嵩です。読めば読むほど不思議な人物で、兄を慕う様子は一見虫も殺せない天使のように見えますが

幼少期の彼にはどこか開けっぴろげな、悪いことを悪いと思わずに躊躇なく行うような残虐性が見え隠れします。

 

そんな彼にはどうも、育ててくれた叔父夫婦を殺害した容疑がかけられていて、しかもその後、慧にも連絡を取らずに姿をくらませています。そのせいで事件を追っている叔父夫婦の友人の刑事がアイスランドまでやってきてしまい、慧に弟の行方を詰問してきて……。

丁寧に描かれた日常と、その水面下で動き始めた大事件のギャップ、今後も目が離せない展開になっています。

まだ二巻目が出たばかりなので、追いやすい所もオススメです。

 
 
 

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