ミギとダリ1巻感想!「この二人の目的はなんなんだ!?気になりすぎる面白さ」

 

今回ご紹介する「ミギとダリ」は、題名どおり表紙に描かれた美しい双子の少年の物語です。

表紙だけ見ると、二人の少年はどこかミステリアスで不穏な空気を含み、何だか少しだけ間が抜けています。

 

そして作者はあの「坂本ですが」の佐野菜見、これはきっと一筋縄では行く筈がないということが表紙からも伝わってきます。

 

 

 

主人公は「秘鳥(ひとり)」という一人の美少年が施設を出て、神戸市のオリゴン村に住む、とある老夫婦の家にやってくる所から始まります。

ん?表紙では双子だったような・・・。少年は荷物を自室として用意された部屋へ一通りの荷物を運び込むと、一人で片付けさせて欲しいと老夫婦に告げます。

先ほどまでは純朴な一面も見せていたこの少年ですが、途端にミステリアスな空気をかもし出します。

 

すると、大きな段ボール箱の中から少年に良く似た少年がもう一人出てきます。そう、実は彼らは「秘鳥」という一人の人物を演じる「ミギ」と「ダリ」という双子の兄弟だったのです。

 

 

この二人の少年、当初は目的がよくわかりません。引き取られた先の老夫婦は双子を受け入れるだけの余裕がなかったという事でし

ょうか?いいえ、それは何だか違うように感じます。

では、この老夫婦の財産が目当てなのでしょうか?そういった狙いや含みは確かに感じますが、それが最終的な目的なのかというと、それもしっくりと来ません。

 

また、子供のいない裕福な老夫婦が何も知らずにミステリアスな子供を受け入れたのかというと、そこも何だか腑に落ちません。

 

この老夫婦、ミギとダリの秘密には気がついてないようですが、何かを隠しているような様子もあります。一見、子供が欲しかったという夢が叶った事に喜び浮かれているだけなようにも見えますが、時折見せる表情から、それとは別の意図や意味があるようにも感じさせられます。しかし、読み進めていくと結局のところ、この老夫婦は養子である「秘鳥」へ愛情を注いでいるだけで、謎めいた表情や行動にも肩透かしを喰らってしまうだけです。

 

 

結局、「佐野菜見お得意の、狐につままれたような笑いの世界へと引きずり込まれただけなのだ」と思った正しくその瞬間この双子の本当の目的が明らかにされます。

 

その瞬間、養父母となったこの老夫婦の違和感が実は肩透かしではなく、読者へ別の意味と可能性を示唆します。

 

果たしてミギとダリは自身の本当の目的を果たすことが出来るのか。

老夫婦に感じる違和感の本当の正体とは。そして、彼らが引き取られ越してきたオリゴン村にも何かが隠されているようです。どこまでが虚構でどこからが真実なのか、それとも全ての読者の肩を透かして作者があざ笑うのか。今後も注目していきたい作品です。


 

 


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